株式会社コスモライフ

経営陣のビジョンとAPのスタンスが完全一致。顧客満足度の高さという優位性を、さらに伸ばしていく。

コスモライフは、2005年から「コスモウォーター」ブランドで天然水の製造・宅配業務をおこなっている企業です。「安心・安全」をモットーに、全国の厳選された美味しい天然水を産地直送でお届けし、業界トップクラスの顧客数を誇っています。しかし、競合企業の増加や提携・合併などの業界再編、物流環境の変化などマーケット環境が大きく様変わりしつつあることを背景に、今後の継続的な企業成長に向けて、アドバンテッジパートナーズ(以下、AP)が投資を実行することになりました。
(2020年04月インタビュー記事を元に編集)

この記事のポイント

  • 経営陣のビジョンに沿って、企業成長をサポートする。
  • 今後の更なる飛躍に向けた人材採用/組織力強化。
  • 会社らしい取り組みでESGを重視して、中長期的な成長を実現。

基本情報

  • 投資時期:2019年6月~
  • 業種:飲料水の製造・販売
  • 企業タイプ:非上場企業
  • 背景:継続的な企業成長に向けた支援

解約率の低さと、「新常識創造カンパニー」というビジョンが投資の決め手。

投資のきっかけは、長くお付き合いのある銀行からの紹介です。今回の案件は経営陣にそのまま残っていただくGrowth支援型のプロジェクトなのですが、APはそういった形の投資実績も豊富なので、マネジメント層との調整役としても期待されたのではないでしょうか。私たちは、「あれをやれ」とか「これをやるな」とか、上から会社をコントロールするような指示は出しません。経営陣のやりたいことを深くお聞きした上で、こうすればリスクを削減しながら実現できるのではないかと、サポートするスタイルをとっています。そのあたりが、お声がけいただいた理由だと考えています。

APとして投資を実行する決め手となった理由は、大きく分けて2つあります。1つ目はサービスの解約率の低さ。顧客満足度の高さと言い換えてもいいでしょう。コスモライフは、天然水マーケットで顧客数2位の会社です。1位の企業と比較すると、営業力という観点では正直に言って劣っている部分もあると思います。その代わりというわけではありませんが、解約率は非常に低い。APでは日ごろから「顧客満足度No.1の会社になりましょう」と提案していますし、同じゴールを目指して邁進していくことができると確信しています。

もう1つは、「新常識創造カンパニー」というビジョンです。競合他社と同じ土俵で戦うのではなく、自分たちならではの魅力を生み出し、提供していくことを目指している。水というプロダクトは変わりませんが、ちょっとしたアイデアや工夫で過去の常識を打ち破っていくことは可能です。たとえば、一般的なウォーターサーバーは水のボトルを上に設置しますが、10リットル以上あるボトルを女性が一人で設置するのは楽ではありません。コスモウォーターのサーバーは、業界で唯一の下置きタイプ。美味しくて安全な水というだけでなく、サーバーの仕様や提供前後のサービスまで含めて付加価値を提供するモデルに共感し、投資させていただくことを決めました。

コスモウォーターのファンを増やすために、全員でアイデアを練り上げる。

現在注力しているのは、コスモウォーターのファンを増やすこと。もともと低かった解約率をさらに下げていくために、いくつもの施策を進めています。すでに数十万人という顧客がいますから、社内には膨大なデータが蓄積されている。それらを一つ一つ紐解きながら、どんな人がどのタイミングで解約するのかを分析し、改善するための打ち手を実行しています。専用アプリを用意して水を配送する数量や日時を気軽に調整できるようにしたり、天然水で飲むと美味しいお茶を開発してプレゼントしたり。利便性を高めることと、心理的に好きになってもらうという2つの側面から改善策を推し進めてきました。

ある程度成熟したマーケットですから、これさえやれば勝てるというような飛び道具はありません。小さな改善をコツコツと積み重ねていくことが重要です。毎月複数の施策を企画しているので、私もかなりの頻度で会議に参加しています。週に1,2度は訪問し、終日議論しているイメージです。顧客満足度を高めるために何をすべきか、優先順位はどうするか。話したいトピックは数限りなくあります。

今回経営陣の変更はおこなっていませんが、経営企画室を強化するために大手電機メーカーからヘッドハントで採用した方がいるので、その方も含めてディスカッションを進めています。前職では30代で経営企画部長になった方で、非常に優秀で人格的にも素晴らしい。APのパートナーである人材エージェントからの紹介で参画いただいたのですが、こういった採用を実現し、会社の組織力を強化できることもAPの強みだと言えるのではないでしょうか。

目指すのは、顧客満足度No.1と、新しい常識の創造。

もう1つ、APとしてもコスモウォーターとしても重視しているのが、ESG(Environment、Social、Governance)の観点です。中長期的な企業成長のためにも、持続的な社会を創出するためにも、ESGの取り組みは欠かせません。天然水は基本的にワンウェイ配送で使い切りの容器を使用するので、どうしてもプラスチックごみが出てしまいます。ここを何とかするために、リユース方法の検討や、従来のプラスチックに代わる環境にやさしい素材の研究を進めているところです。

環境対応と、ユーザーからの低価格ニーズを両立する新商品として、浄水器タイプのハミングウォーターというブランドも立ち上げました。水道水を充填してろ過するのですが、ハミングウォーターを通した水と水道水そのままの水を“利き水”してもらった正答率は、ほぼ100%です。使い放題で、冷水と温水だけでなく常温でも使用できるので、お米をといだり野菜を洗ったりする時にも使えますし、ごみも排出されません。ユーザーの方にコスモライフの世界観に共感頂き、低水準だった解約率を更に引き下げることができると考えており、まさに「新常識創造カンパニー」というビジョンを体現したサービスをローンチできたと思っています。

APが今回投資をさせていただいた背景に、むやみに規模の拡大を追求するのではなく顧客満足度という指標でNo.1を目指していることと、コスモライフらしい取り組みで地球環境や社会にとってプラスになることができるという2点がありました。そういった意味で、コスモライフは投資先として望ましく、これからも企業成長をサポートしていきたいと思っています。